140912-18白馬岳 sea to summit
投稿者: mikishin
もう二年前のことだけれど、白馬岳から栂海新道を通って日本海まで歩いた。山旅がしたい。旅感のあるコースを歩いてみたい。そんなテーマ設定をしたように思う。
当時(今もだけど)全然金もなくて、時間もあるようで無くて、山と道のJAPAN NORTH ALPS 09DAYS SEA TO SUMMITの動画をリピートで見まくっていた。というか作業用BGMとして聞いていた。この動画がすごくいい、音楽も最高に良くて、多分これに憧れてコースを決めたんだと思う。3000メートルのアルプスの頂上から、海まで歩けるなんてとてもドラマチックだし、すばらしいトレイルだった。
JRの季節運行の深夜快速列車のムーンライト信州というのがあって、これが格安でしかも早朝に白馬駅に到着できる。コイツがとても便利なんだけれど、どうやらチケットがすぐ埋まってしまうらしく、そんなことは知らずに出発当日に八王子駅で購入すればいいやなんて考えていた。
そしたら案の定満席。キャンセル待ちにシフトしたけれど、待っても一枚分しか開かなかった。妻と一緒なので、どうしようか考えた末、もしかしたら甲府で下車する人がいるだろうから、甲府から乗れば空いてるのでは?なんて先回り作戦を思いつく。甲府行きの最終便が迫る中、駅員さんもその手が有ったかと検索をかけてくれ、なんと2枚ゲット!ダッシュで乗り込んでギリギリ間に合った。考えれば思いつくもんだな〜◯
こういうアイディアが上手くいくのってすごく気持ちいい、小さいことなんだけど。。
日程
DAY1:栂池高原〜白馬乗鞍岳〜白馬大池山荘(テン泊)
DAY2:白馬大池山荘〜白馬岳〜雪倉岳〜朝日小屋
DAY3:朝日小屋〜栂海新道〜白鳥小屋
DAY4:白鳥小屋〜親不知(日本海)
1日目はとても短くて、白馬大池で泊まることに決めていた。白馬岳まで行っても良かったんだけれど、夜寒いだろうし、大池の近くでのんびりとしたかったから。
大池には直ぐ着く。まだ全然テントが張られていないので、場所は選び放題。大池側の端っこに張った。とても穏やかな風景で、落ち着ける場所だった。初日はキャンプ気分、荷揚げしたワインやらつまみやらを消費◯
2日目は日の出を眺めながら白馬岳までの稜線ハイクが最高にきれいだった。今までご来光を積極的に見ようとしてこなかったけれど、とても感動的だった。雲海や山々が照らされていく光景がすばらしくて、おぉ〜と心の底から声がした(気がした)。まわりにいる人たちの顔もみな「おぉ〜」って言っているように見える、そんな一体感が何とも言えない。
頂上にて。
白馬の頂上を経由して、白馬山荘で昼ご飯を食べた。
その後,白馬頂上を経由して雪倉岳方面へ向かう。ここから先は人がとたんに少なくなってとても静かな気持ちいいトレイルだった。
全く水平じゃない水平道とか、かなりパンチが効いていて、朝日小屋に着いた時はクタクタ。
そして朝日小屋のテントサイトは、北アルプスの外れにある感じがすごい感じられる場所だった。それは多分テントサイトの規模だったり、人の数だったり、植生だったり、理由は色々あるんだと思う。何より小屋の人たちの感じとか、テン場の人の感じとか、みんなとてもリラックスしているように見えたことが大きいのかもしれない。居心地がとても良かった。また是非泊まりにいきたい。
3日目は朝日岳に登り、いよいよ念願の栂海新道に入る。
朝日岳山頂からは海が見える。実際に歩いた感じ、自分たちにとっては近くに見えるけど遠かった。走力ある人にとっては逆に感じたりもするんだろうな。
朝日岳を下りて吹き上げのコルから先は樹林帯と湿地帯がミックスされたような独特な雰囲気のトレイルが続く。
小川が流れ、池塘が点在し、ありきたりな表現だけど天上の楽園だと思った。こんなに人が少ないのに、整備は行き届き、街の直ぐ近く(けっこう歩くけど)にあるなんて。
黒岩山から先はけっこう切り立った稜線が続いた。1500mほどの標高なのに、雪が多いからかハイマツまで混ざっているような植生がとても興味深い。眺めの良いトレイルが続いた。
上の写真は犬が岳山頂からの景色。本当は犬が岳避難小屋に宿泊するつもりだったけれど、途中でおばちゃんグループを追い抜いていたので、人が少ないであろう白鳥小屋まで頑張ることにした。
歩きながら段々と分かってきたんだけれど、栂海新道には巻き道のようなルートが無い。全部稜線をきっちり歩く。だからこの先のアップダウンがすべて風景で分かるわけ。白鳥山手前の急登りは遠くから眺めて疲れ、歩いて疲れた。バッテリーが切れてしまってここから先は写真が無いのだけれど、白鳥小屋であった二人のお兄さんとおじさんのグループのことを書かずにはいれない。
クタクタになった僕らを温かいコーヤ豆腐とウイスキーで迎えてくれた。食べ終わっていたのに、僕らのためだけに作ってくれた。本当に疲れる道だよな〜なんて和気あいあいと話しつつ、色々と世間話をした。60歳くらいと40〜35くらいの二人だったけど、靴はモントレイルでお揃いだった。僕らの靴を見て重くない?なんて言われ、やっぱり軽いのにしたいなとそのとき心から思った。とてもひょうひょうとした素敵な2人組だった。本当に楽しい時間だった。
4日目の工程は短く、4時間くらい。
最後に海に足をつけるのは最高の気分。sea to summit っていい響きの言葉だと思う。今回は逆でsummit to seaなのかも。
道の駅でどんぶりを食べた。